自社ECカート比較9選|モール依存から脱却したい中小EC事業者が押さえるべき選び方

自社ECカート比較9選|モール依存から脱却したい中小EC事業者が押さえるべき選び方

ECカートを選ぶとき、後になって「もっとちゃんと調べておけばよかった」と感じる事業者は少なくありません。

無料から始められるSTORESやBASEを選んだのに、売上が伸びた途端に手数料の重さが気になり出した。「とりあえずShopify」で導入してみたら、のし・複数配送先・掛け払いといった国内の商習慣への対応で思わぬ工数がかかった。知名度でMakeShopを選んだものの、デザインを本格的に作り込もうとした段階でエンジニアコストが想定を大きく上回った——こういう話は、相談を受けるたびによく耳にします。

共通しているのは、「料金とブランド名だけで選んでいた」という点です。月額費用や販売手数料は数字で比べられるので判断しやすい。でも、運用の負荷がどれくらいか、売上が2倍になっても使い続けられるか——そういったことはスペック表を眺めていても見えてきません。気づいたときにはカート移行という重い選択を迫られている、というのが一番多いパターンです。

本記事では、EC業界15年の実務経験をもとに、国内主要ECカート9サービスを料金・運用しやすさ・集客機能・拡張性・BtoB対応・乗り換えやすさの6つの軸で整理します。「自社にどのカートが合うか」を判断するための材料として、実務目線でまとめました。

目次

モール依存のEC事業者が自社ECカートを検討する理由

楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといったモールへの出店は、集客力という点では今も有効な選択肢です。ただし、モール売上の比率が高くなるにつれて、じわじわと経営を圧迫していく構造的な問題が見えてきます。

手数料が利益を削り続ける

モールの販売手数料・システム利用料・広告費を合算すると、売上の20〜40%程度がコストとして消えるケースは珍しくありません。売上が伸びても利益率が改善しない、という状況の背景にはこの構造があります。

顧客データが手元に残らない

モールで購入した顧客の連絡先や購買履歴は、基本的にモール側の資産です。リピーター施策やCRM活用を本格的に進めようとしたとき、顧客データがない状態では手が打てません。

ルール変更のリスクを常に抱える

手数料の改定、掲載ルールの変更、検索アルゴリズムのアップデート——モール側の意思決定に売上が左右される構造は、事業の安定性という観点では脆弱さを抱えています。

こうしたモール依存のリスクについては、ECの売上が伸びない本当の原因でも詳しく触れています。

自社ECカートの導入は、こうした構造的な課題を解消する手段のひとつです。ただし「自社ECを始めれば解決する」という話ではなく、どのカートを選ぶかによって、運用コスト・拡張性・成長の天井が大きく変わります。

カートを選ぶ前に確認すべき3つの条件

「どのカートがいいですか?」と聞かれると、「それは自社の状況によります」と答えるしかありません。自社に合っているかどうかが判断の起点なので、比較に入る前に以下の3点を整理しておくことをおすすめします。

① 現在の年商規模と今後の目標

カートによって月額費用・販売手数料・機能の上限が異なります。年商500万円の段階で月額数十万円のカートを導入しても、コストが利益を上回るケースがあります。一方、成長を見越さずに低コストのカートを選ぶと、後から移行コストが発生します。現在の年商と、2〜3年後に目指す規模を目安として持っておくと、選択肢がぐっと絞りやすくなります。

② カスタマイズの必要性

デザインや機能を自由に作り込みたいのか、標準機能の範囲で運用できるのかによって、適したカートが変わります。カスタマイズ性を高めるほどエンジニアコストが発生するため、内製できるリソースがあるかどうかも含めて考える必要があります。

③ 運用できる体制

担当者が1〜2名の少人数体制なのか、ある程度の分業ができる体制なのかによって、運用負荷の許容範囲が変わります。機能が豊富なカートほど設定・管理の工数がかかるため、体制に見合った選択が長続きのコツです。

ECカートを選ぶ6つの比較軸——料金以外で後悔しないために

料金と手数料だけで比較すると、後から「こんなはずじゃなかった」となりやすい。費用以外に、実際の運用で差が出てくるポイントを5つ整理しておきます。

運用しやすさ

担当者が何人いて、ECにどれくらいの時間を使えるか——そこが出発点です。機能が豊富でも、日常の設定や更新に工数がかかるカートは、少人数の体制には重荷になります。「使い始めてみたら操作が複雑で、担当者が疲弊してしまった」というのは珍しくない話です。最初に触ってみてストレスなく動かせるかどうかは、意外と大事な判断基準です。

集客機能

自社ECは、モールと違って集客をすべて自前で担う必要があります。SEO設定の自由度(URLのカスタマイズ・メタ情報・構造化データ対応)、ブログ機能の有無、SNSや広告ツールとの連携——こうした機能の充実度が、開店後の流入に直結します。「カートは決めたけれど全然人が来ない」という状況に陥ってから気づく方が多い部分なので、開設前に確認しておきたいポイントです。

拡張性

在庫管理・物流・CRM・マーケティング自動化——事業が成長すると、カート以外のシステムと連携する場面が増えてきます。そのとき、APIや外部ツール連携の選択肢が広いカートを使っていると、対応の幅が違います。拡張性が低いカートを選んでいると、成長のタイミングで「移行か諦めか」という判断を迫られることになりかねません。

BtoB対応

BtoCのみで運営しているうちは意識しにくいのですが、法人顧客向けの卸売・掛け払い・法人会員区分への対応度は、カートによってかなり差があります。今後BtoBチャネルを広げていきたい場合は、あらかじめここを確認しておくことをおすすめします。後から「この機能、対応してないんです」と気づくと、選択肢がかなり狭まります。

乗り換えやすさ

「このカートにしておけばよかった」と気づいたとき、移行のしやすさがどのくらいか——これは見落とされがちですが、重要な軸です。商品データのエクスポート形式、独自ドメインの引き継ぎ、積み上げてきたURLのSEO評価をどう守るか。カートへの依存が深くなるほど移行のコストは大きくなるので、将来の選択肢を狭めないという意味でも、選ぶ段階から意識してほしいポイントです。

ECカート比較表|6つの軸で9サービスを評価

上記6軸でECカート9サービスを評価した一覧です。◎=非常に優れている ○=問題ない水準 △=やや限定的 ×=非対応・困難、で示します。

カート 運用しやすさ 集客機能 拡張性 BtoB対応 乗り換えやすさ 向いている年商規模
STORES × 〜500万円
BASE × 〜1,000万円
カラーミーショップ 〜3,000万円
MakeShop 500万〜1億円
Shopify 500万〜数億円
aishipR 3,000万〜数億円
FutureShop 3,000万〜数億円
ebisumart × 1億円〜
ecforce × × 1億円〜(D2C特化)

※上表の評価は、標準機能・エコシステム・実際の運用実態をもとにした筆者の見解です。各サービスの機能・仕様は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

ECカート9選|費用・機能クイック比較

月額費用・販売手数料・カスタマイズ性・向いている年商規模を一覧で整理します。詳細は次章で解説します。

カート月額費用目安販売手数料カスタマイズ性向いている年商規模
STORES無料〜3,300円3.6〜5.5%〜500万円
BASE無料〜16,580円2.9〜6.6%〜1,000万円
カラーミーショップ無料〜22,000円なし〜3,000万円
MakeShop13,750円〜なし500万〜1億円
Shopify4,850円〜0〜2%中〜高500万〜数億円
aishipR10,780円〜なし中〜高3,000万〜数億円
FutureShop24,000円〜なし中〜高3,000万〜数億円
ebisumart150,000円〜なし1億円〜
ecforce要問合せなし1億円〜

※月額費用はプランにより異なります。決済手数料は別途発生します。料金は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

各ECカート詳細解説

STORES(ストアーズ)

STORESは「とにかく早く・安く開設したい」という事業者に向いているカートです。管理画面がシンプルで、EC運営の経験がない担当者でも短期間で開設・運用できます。副業・ハンドメイド販売・小規模な単品販売など、スピード優先で動きたい場面では頼りになる存在です。

月額費用は無料プランとスタンダードプラン(月額3,300円)の2択で、販売手数料は無料プランで約5.5%、スタンダードプランで3.6%が発生します。

カスタマイズ性は低く、SEO設定や機能拡張の選択肢も限られているため、検索流入を伸ばしていきたい場合や、CRMを活用したリピーター施策を本格化したい場合には物足りなさが出てきます。「まず始める」段階の選択肢として考え、事業の成長とともに上位カートへの移行を視野に入れておくと良いでしょう。

向いている事業者

  • ECをとにかく早く・安く立ち上げたい
  • 年商500万円以下の小規模運用
  • 副業・ハンドメイド販売など販売頻度が低いケース

注意点

売上が伸びてきた段階でのカート移行は、商品データの移行・SEO評価のリセットなど一定のコストが伴います。最初からある程度の成長を見込んでいるなら、少し先を見越して後述のカートも比較してから選ぶことをおすすめします。

STORESの公式サイトで料金・プランを確認する

BASE(ベイス)

BASEはSTORESと並ぶ国内の無料カート2強のひとつで、個人事業主から中小EC事業者まで幅広く使われています。STORESと比べると、デザインテンプレートの豊富さとアプリ拡張機能の充実度が一歩上で、「機能を少しずつ育てていきたい」という方に向いています。

費用体系はスタンダードプラン(月額無料)とグロースプラン(月額16,580円)の2つで、スタンダードプランは月額固定費がかからない代わりに手数料が6.6%+40円発生します。グロースプランは月額固定費がかかるものの、手数料が2.9%まで下がる構造です。販売額が大きくなるほどグロースプランのコスト効率が良くなるので、売上の伸びに合わせてプランを見直すことをおすすめします。

SEO対策・メルマガ配信・予約販売・デジタルコンテンツ販売など、標準機能をアプリで拡張できる点はSTORESにない強みです。一方でカスタマイズ性の天井は低く、ブランドを本格的に作り込んでいきたいフェーズになると、機能の限界を感じる場面が出てきます。

向いている事業者

  • 無料または低コストでECを始めたい
  • アプリで機能を拡張しながら運用したい
  • 年商1,000万円以下の小〜中規模運用

注意点

スタンダードプランは手数料が二重にかかる構造のため、売上が上がるほど手数料の負担感が増してきます。月商が一定規模を超えたらプラン変更またはカート移行を検討するタイミングだと思ってください。

BASEの公式サイトで料金・プランを確認する

カラーミーショップ

カラーミーショップはGMOペパボが運営する国内老舗カートのひとつで、中小EC事業者を中心に長年使われてきた実績があります。レギュラープラン以上は販売手数料がかからない点が、売上規模が大きくなるほどコスト面で有利に働きます。

プランはフリープラン(無料)・レギュラー/ラージプラン(月額3,300円)・プレミアムプラン(月額22,000円)の3段階で、レギュラー以上は販売手数料なく、決済手数料のみの負担です。

HTMLやCSSの編集に対応しており、デザインの自由度はBASEやSTORESより一段上です。メルマガ・クーポン・ポイント機能など、中規模運用に必要な基本機能もひと通り揃っています。将来の乗り換えを考えたとき、独自ドメイン運用と商品データのCSVエクスポートが充実しているのも安心できる点です。

向いている事業者

  • 販売手数料を抑えてコストを固定したい
  • 年商500万〜3,000万円程度の中規模運用
  • デザインをある程度自由に作り込みたい

注意点

長年運用されてきたサービスだけあって安定感はあるのですが、管理画面のUI・UXに古さを感じる場面があるのも事実です。ShopifyやBASEと比べると直感的な操作感という点では見劣りすることがあるので、実際に触ってみてから判断することをおすすめします。

カラーミーショップの公式サイトで料金・プランを確認する

ECカートの選定と並行して、EC運営全体の課題も整理しておきましょう。カート以外の要因が売上の足を引っ張っているケースは少なくありません。

MakeShop

MakeShopはGMOメイクショップが提供する中規模EC事業者向けのカートで、国内の月商100万円以上のショップ導入数において高い実績を持つサービスです。販売手数料がなく月額固定費制で運用できるため、売上が伸びるほどコスト効率が良くなる構造です。

プランはプレミアムプラン(初期費用11,000円・月額13,750円)を中心に、上位のエンタープライズプラン(月額55,000円〜)も用意されています。ポイント・クーポン・定期購入・メルマガ・レコメンド機能など、中規模以上の運用で必要になる機能がひと通り標準で揃っているのは心強いポイントです。

受注管理システムや物流システムとの接続実績が豊富なのも、バックオフィスを整えていきたい事業者には評価されやすい点です。BtoB対応の面でも、法人会員区分や法人向け機能を備えており、卸売チャネルを持つ事業者にも対応できます。

向いている事業者

  • 月商100万円以上の中規模運用を本格的に進めたい
  • 販売手数料なしで機能を使い倒したい
  • 年商500万〜1億円程度の事業者

注意点

カスタマイズ性はShopifyや後述の上位カートと比べると柔軟性に限界があります。フロントのデザインを大きく作り込んでいきたい場合は、上位カートとの比較検討も含めて判断してください。

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Shopify(ショッピファイ)

Shopifyはカナダ発のグローバルECプラットフォームで、世界170カ国以上で利用されています。国内でも中小〜中堅EC事業者を中心に急速に普及しており、「自社ECを始めるなら」と話題になる場面で最初に名前が挙がることが多いサービスです。

プランはBasic(月額4,850円)・Grow(月額約13,500円)・Advanced(月額58,500円)の3段階で、プランによって手数料と利用できる機能が異なります。なお2025年4月に旧「Shopify」プランは「Grow」に改称されています。Shopifyペイメントを利用すると販売手数料が無料になりますが、外部決済を使う場合は別途手数料が発生します。

最大の強みはアプリエコシステムの豊富さと集客機能の充実度です。世界中の開発者が提供するアプリを組み合わせることで標準機能を大幅に拡張でき、SEO設定の自由度も高い。SNSや広告ツールとの連携も整っているので、自社ECへの流入を自分でコントロールしていきたい事業者には評価が高いカートです。多言語・多通貨対応も標準で備わっており、越境ECを視野に入れている場合にも対応できます。

向いている事業者

  • デザイン・機能の拡張性を重視したい
  • 越境ECや海外展開を視野に入れている
  • 年商500万〜数億円規模の幅広い事業者

注意点

UIは英語ベースの設計思想が残っており、のし・ギフト対応・複数配送先といった国内の商習慣への対応はアプリや追加開発が必要なケースがあります。また、アプリを積み重ねていくと月額コストが想定より膨らみやすい点はよくある落とし穴です。機能の豊富さと引き換えに、使いこなすためのキャッチアップコストも他カートより高めになることは覚悟しておいてください。

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aishipR(アイシップアール)

aishipRはロックウェーブが提供する国産の中〜大規模EC事業者向けカートです。ShopifyやMakeShopほど名前が知られているわけではありませんが、月商1,000万円以上の中規模EC事業者を中心にしっかりとした導入実績を持つサービスです。

月額費用は10,780円から(プランにより異なる)で、初期費用は別途22,000円〜発生します。販売手数料はありません。売上規模が大きくなるほど固定費モデルはコスト面で有利に働きます。

ポイント・クーポン・定期購入・メルマガ・レコメンドといった基本機能に加え、受注管理や物流システムとの連携対応も充実しています。国産カートならではの強みとして、国内の商習慣への対応が標準で備わっているため、Shopifyで苦労するような場面でもストレスなく進めやすいです。

向いている事業者

  • 年商3,000万〜数億円規模の本格運用
  • 国産カートの安心感と手厚いサポートを重視したい
  • 販売手数料なしで機能を使い倒したい

注意点

Shopifyと比べるとアプリや外部連携の選択肢が限られるため、独自の機能を実装したい場面では別途開発コストが発生することがあります。知名度が低い分、導入事例や周辺情報がShopifyよりも少ないため、検討時の情報収集には少し手間がかかるかもしれません。

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FutureShop(フューチャーショップ)

FutureShopはフューチャーショップが提供する国産の中〜大規模EC事業者向けカートです。20年以上の運営実績を持つ老舗サービスで、アパレル・コスメ・食品など幅広いジャンルの中規模EC事業者に長く選ばれてきました。

月額費用は24,000円から(登録商品数によりプランが異なる)で、初期費用は別途22,000円発生します。販売手数料はありません。長年の実績に裏付けられた機能の成熟度と、国内EC事業者向けのサポート体制が選ばれる大きな理由です。

特に定期購入・頒布会機能の充実度は食品・コスメ系EC事業者から評価されています。受注管理システムや物流システムとの連携実績も豊富で、バックオフィスを整えながら運用を効率化していきたい事業者には心強い選択肢です。

向いている事業者

  • 年商3,000万〜数億円規模の本格運用
  • 定期購入・頒布会など継続課金モデルを運用したい
  • 国産カートの安定性とサポートを重視したい

注意点

管理画面のUI・UXはShopifyと比べると古さを感じる場面があります。デザインの自由度はカスタマイズ対応で補える部分もありますが、フロントエンドの作り込みにはエンジニアコストが発生することが多いです。

FutureShopの公式サイトで料金・プランを確認する

ebisumart(エビスマート)

ebisumartはインターファクトリーが提供するクラウド型の大規模EC事業者向けプラットフォームです。月額150,000円からと費用感は高めですが、その分だけ高い拡張性とカスタマイズ性を備えており、年商1億円以上の中堅〜大手EC事業者を中心に導入されています。

クラウド型でありながらカスタマイズ性が高い点がebisumartの最大の特徴です。複雑な販売ロジックや独自の会員管理・ポイント設計など、他のカートでは「ちょっと難しい」と言われるような要件でも対応できる対応力があります。BtoB対応の面でも、法人向け卸売機能や掛け払いへの対応が充実しており、BtoBとBtoCを並行して運営する事業者にとっては心強い選択肢です。

サポート体制も手厚く、導入時のコンサルティングから運用後のフォローまで一貫して対応してもらえる点は、内製リソースが限られている事業者にとって安心材料になります。

向いている事業者

  • 年商1億円以上の中堅〜大規模運用
  • 独自要件への対応や高いカスタマイズ性が必要
  • BtoBとBtoCを並行して運営したい

注意点

月額費用・初期費用ともに高額なため、中小規模の事業者には費用対効果が合いにくい価格帯です。また、カスタマイズの自由度が高い分、要件定義や実装に時間とコストがかかるケースもあるので、導入・運用コストを含めた総額で判断することが大切です。

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ecforce(イーシーフォース)

ecforceはSUPER STUDIOが提供するD2C・サブスクリプション特化型のECプラットフォームです。費用は要問い合わせで、初期費用・月額費用ともに高額な部類に入ります。近年のD2Cブランドブームを背景に認知度が上がり、コスメ・健康食品・食品系のD2C事業者を中心に導入が進んでいます。

最大の特徴は定期購入・サブスクリプション管理機能の充実度です。継続率の改善・解約防止・アップセル設計など、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための機能が標準で備わっており、定期通販を主軸にするビジネスモデルとの相性は抜群です。マーケティング機能やCRM連携も充実しており、広告・CRM・受注管理を一元管理したい事業者から評価されています。

向いている事業者

  • 定期購入・サブスクリプションを主軸としたD2C事業者
  • LTV最大化を事業の中心に据えたい
  • 年商1億円以上の本格的なD2C運用

注意点

D2C・定期通販に特化した設計のため、単品販売が中心の事業者には機能が過剰になりやすいです。BtoB対応も限定的なので、卸売チャネルを持つ事業者には向いていません。費用感も高いため、ビジネスモデルとの適合性をしっかり見極めた上で検討することをおすすめします。

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あわせて確認したいカート・サービス

上記9カートに加えて、用途や規模によっては以下のサービスも選択肢になります。それぞれ性格が異なるので、自社の目的に照らして参照してください。

おちゃのこネット

おちゃのこネット株式会社が提供する老舗の国産ECカートです。無料プランから始められ、独自ドメインでの運用・HTML編集・各種集客機能を備えています。小規模〜中規模のショップを中心に長年使われてきた実績があり、初期費用を抑えてネットショップを開設したい方の選択肢のひとつです。

おちゃのこネットの公式サイトで料金・プランを確認する

XServerショップ

エックスサーバー株式会社が提供するネットショップ作成サービスです。販売手数料0円・月額定額制を特徴としており、売上が伸びてもランニングコストが固定されるのはコスト管理のしやすさにつながります。XServerのホスティングサービスをすでに使っている事業者にとっては、アカウント管理が一元化できる利点もあります。

XServerショップの公式サイトで料金・プランを確認する

easy myShop(イージーマイショップ)

株式会社システムリサーチが提供する国産ECカートです。2013年からサービスを提供しており、無料プランから始められる手軽さと基本的なEC機能を備えています。まずは開設してみたいという方の選択肢として確認してみてください。

easy myShopの公式サイトで料金・プランを確認する

ペライチ

LP・ホームページ作成ツールに決済・EC機能を追加したサービスです。フル機能のECカートとは性格が異なりますが、商品数が少ない販売や既存のページに決済機能を加えたい用途には向いています。本格的なECカートを検討している場合は上記サービスと目的に応じて使い分けてください。

ペライチの公式サイトで料金・プランを確認する

HPDX

株式会社WizによるECサイト・ホームページ制作支援サービスです。カートASPというよりも、サイト制作からEC運用まで外部サポートを受けながら進めたい方向けのサービスとして位置づけてください。社内にWeb制作のリソースがない場合の選択肢になります。

HPDXの公式サイトで詳細を確認する

SHOP-Maker

クロスセル株式会社が提供するショッピングカートASPです。2003年からサービスを提供している老舗で、基本的なEC機能を備えています。シンプルな構成でネットショップを始めたい場合の選択肢として確認してみてください。

SHOP-Makerの公式サイトで料金・プランを確認する

規模別・目的別 ECカートの選び方まとめ

カートの詳細を確認した上で、改めて年商規模と目的を軸に選び方を整理します。

年商〜1,000万円:まず始めることを優先する

この規模では初期コストと運用負荷を抑えることが現実的な判断です。STORESまたはBASEが選択肢の中心になります。ただし、最初から成長を見込んでいるのであれば、カート移行のコストを念頭に置いた上でShopifyのBasicプランを選ぶケースも増えています。

年商1,000万〜1億円:機能と費用のバランスを見極める

事業の成長に合わせて、手数料負担・機能の拡張性・バックオフィス連携が選定の軸になってきます。Shopify・カラーミーショップ・MakeShopが現実的な選択肢です。定期購入・リピーター施策を本格化したい場合はFutureShopやaishipRも検討範囲に入ります。受注管理システムとの連携まで含めて考えると、また選択肢の見え方が変わってくることもあります。

年商1億円〜:拡張性・安定性・独自要件への対応力で選ぶ

この規模になると、カートの処理能力・カスタマイズ性・サポート体制が選定の中心になります。aishipR・FutureShop・ebisumartが主な選択肢で、D2C・定期通販が主軸の場合はecforceも視野に入ります。

移行時に気をつけたいこと

自社ECカートの移行は、新規立ち上げと比べて考慮すべき点が多く、想定外のトラブルや工数が出やすいフェーズです。よくある失敗パターンを先に知っておくだけで、リスクをかなり減らせます。

商品データの移行に想定以上の工数がかかる

商品点数が多い場合、データのフォーマット変換や画像の移行作業だけで数週間かかることがあります。旧カートと新カートでデータ構造が異なる場合は手作業での修正が発生しやすく、担当者の工数を大きく圧迫します。

SEO評価がリセットされるリスクがある

ドメインやURLが変わる場合、これまで積み上げてきた検索順位に影響が出ます。リダイレクト設定を適切に行わないと流入が急減するケースがあるので、移行前にURL設計とリダイレクト対応を確認しておくことは最低限の準備です。

連携ツールの再設定が発生する

受注管理システム・物流システム・メール配信ツールなど、旧カートと連携していたツールは新カートでの設定が必要になります。連携ツールが多いほど移行期間中の業務負荷は高くなるので、移行スケジュールを組む際は連携ツールの対応工数を必ず含めて計算してください。

移行期間中の売上への影響を見落としやすい

移行作業中はサイトの一時停止や機能制限が発生することがあります。繁忙期や大型セールの前後に移行を重ねると、売上への直接的な影響が出るリスクがあります。移行のタイミングは閑散期を狙うのが基本です。

まとめ:まず候補を2〜3つに絞って、実際に触れてみてください

本記事で取り上げたカートを改めて整理すると、以下のように位置づけられます。

  • まず始めたい・コストを抑えたい:STORES・BASE
  • 中規模運用を本格化したい:カラーミーショップ・MakeShop・Shopify
  • 本格運用・拡張性を重視したい:aishipR・FutureShop
  • 大規模・独自要件への対応が必要:ebisumart・ecforce

カート選びで一番もったいないのは、「安いから」「有名だから」という理由で選んで、事業の成長とともに乗り換えを余儀なくされるケースです。移行には商品データ・SEO・連携ツールの再設定など、思いのほか時間と費用がかかります。今の規模だけでなく、2〜3年後の姿を想像しながら選んでいただければ、長い目で見たときにコストをぐっと抑えられます。

次にやることはシンプルです。この記事の比較表を参考にまず候補を2〜3つに絞り、それぞれの公式サイトで最新の料金プランと機能を確認した上で、無料トライアルや資料請求を活用して管理画面を実際に触ってみてください。スペック表だけでは見えてこない操作感や使いやすさは、触れてみて初めてわかるものです。

最後にひとつだけ。迷ったときは「年商が今の倍になったとき、このカートで対応できるか」を自問してみてください。どちらかに「少し不安がある」と感じたなら、そちらが外れていく理由です。

BASEの公式サイトで料金・プランを確認する

STORESの公式サイトで料金・プランを確認する

カラーミーショップの公式サイトで料金・プランを確認する

MakeShopの公式サイトで料金・プランを確認する

カート選びと並行して、EC全体の売上構造を見直しておくことも重要です。ECの売上が伸びない本当の原因/15年の実務経験から見えた7つのパターンと打ち手では、カート以外の要因も含めた課題と改善の優先順位を整理しています。

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この記事を書いた人

2010年代初頭にEC業界へ入り、楽天・Yahoo!ショッピング・Amazonのモール運営と、Shopify・ebisumart・FutureShopを使った自社EC運用の両方を経験してきました。商品ページ・LP・メルマガ・セールスコピーといったコンテンツ制作のほか、受注・在庫管理、物流手配、撮影・レタッチ、SNS運用まで、EC現場の業務をひとつひとつ担当してきました。
このサイトは、15年の現場経験から生まれた実務メディアです。「本当に効く施策」と「マニュアルには載らない落とし穴」——EC運営を始めたばかりの方にも、売上に伸び悩む方にも、現場で使える情報を発信しています。

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